…糖尿病網膜症、網膜剥離
糖尿病で目が悪くなる人はどのくらいありますか? 
症状を教えて下さい
どのように進行していきますか?
治療法を教えて下さい
光凝固療法が効かない人はどうなりますか?

糖尿病に関係した目の病気には、白内障・緑内障もありますが、最も注意しなければならないのは糖尿病網膜症です。
網膜症は糖尿病に罹患してすぐ発症することはありませんが、罹患後4〜5年頃から見られます。そして20年以上経過すると、3人に2人は網膜症を発症しています。

網膜症は痛くもかゆくもありません。また糖尿病黄斑症を併発していなければ視力障害もなく、かなり進行するまで全く自覚症状はありません。
そして増殖性変化を伴って見えにくくなった時には、治療がかなり困難になっている場合が多いので注意が必要です。
現在、中途失明原因疾患の首位になっています。

最初は網膜に僅かな出血や、毛細血管瘤と呼ばれる小赤点あるいは、はっきりした白斑が見られます(背景網膜症・単純網膜症)。
そのうち軟らかい白斑が見られるようになりますが、この時期になると網膜の毛細血管が詰まって、血液の流れていない部分(無血管野)ができています。そして、この無血管野が広くなると、網膜内に異常な血管が出来てきます。(増殖前網膜症)。
さらに進行すると、この網膜内にできた異常血管が網膜を突き破って硝子体の中に入ってきます(増殖網膜症)。
この増殖した血管は硝子体と一緒になり、出血させたり網膜を引っ張って網膜剥離をおこし、見えなくなって来ます。
また視力に大切な黄斑部に水が貯まる黄斑症は、単純網膜症の時期にも発症することがありますが、増殖網膜症ともなれば全例に見られます。



背景網膜症では糖尿病黄斑症が併発していなければ、治療の必要はありません。  増殖網膜症の初期には光凝固療法を行いますが、この光凝固療法は増殖前網膜症の後期に行う方が有効です。


増殖性変化が強くなり、網膜剥離の起きているような症例には光凝固療法は無効です ので、硝子体手術が必要になります。 また黄斑症に対しても、最近では硝子体手術が行われます。これらの場合も早期に手術を行った方が経過の良い場合が多いですから、定期的な検査を行って、症状を正しく把握しておくことが大切です。 硝子体手術の進歩により、最近はよい手術結果を得ています。また、入院期間も4〜5日です。

糖尿病網膜症治療の現状

 わが国の糖尿病患者数はなお増加傾向にあり、600万人を超えています。そして、糖尿病網膜症が中途失明の首位疾患になって久しいのですが、最近の内科治療の進歩や、眼科への早期受診などで、増殖性糖尿病網膜症の重症例は減って来ていると思われます。また重症例の硝子体手術に於いても、増殖組織の視神経乳頭上からの引き抜き法など手術法の改良で失明に至る症例は著明に減少し、よりよい視力を得る為の治療に目的が変って来ました
 糖尿病網膜症による視力障害の主因は糖尿病黄斑症で、黄斑浮腫の程度により、また浮腫の継続期間が永くなると視力は不良となって行きます。この黄斑浮腫は増殖網膜症では略々必発ですが、初期の単純糖尿病網膜症でも5〜10%の症例に認められると云われています。
 この糖尿病黄斑浮腫は、後部硝子体剥離のある眼では比較的少ないことが以前より知られていましたが、硝子体手術が有効であることが判って来まして、特に日本では多くの施設で行われています。
 一方合衆国では、トリアムシノロン(ケナコルト)の硝子体腔内注入が有効として、多くの網膜専門医により行われていますが、有効期限が比較的短く、再発例が多いようです、この点からも、やはり硝子体切除が必要なようです。硝子体が黄斑浮腫を発生させている理由には黄斑部網膜に対し牽引性に働いていることの他、サイトカインなどの起炎物質が黄斑部に接した硝子体皮質内にとどまっていることなどが考えられています。
 黄斑浮腫の消退と視力回復とは必ずしも一致しません。その理由としては、長期にわたって黄斑浮腫が持続した症例においては、硝子体手術後浮腫は改善したものの黄斑部網膜が萎縮していて、良好な視力予後が得られない症例があると考えられます。しかし、更に1年後の同じ症例群の視力予後と調べた所、約10%の症例で視力が回復して術前より改善していましたので、黄斑浮腫症例の視力の回復後には長時間を要するものと考えられました。
 いずれにしましても、種々の治療には有効期間があり、より早期の治療が必要と考えられます。


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